「プロ野球ai」2014年9月号

 

プロ野球ai 2014年9月号

プロ野球ai 2014年9月号

 

・堂林選手の「俺」キャラ

・読者参加企画が普通に勉強になる

・ランキング大波乱(主にカープで)

 

野球雑誌の中で最も愛読しているといってもいい「プロ野球ai」、9月号を読みました。最近の「ai」だと5月号の「イチオシ選手対談特集」における斎藤佑樹選手×乾真大選手対談が素晴らしい読みどころだったので、以降自分の「ai」への期待指数は段違いに上昇しております。

 

プロ野球ai5月号(2014)

プロ野球ai5月号(2014)

 

 

9月号は「もっともっとプロ野球にワクワクしよう」という特集で、巻頭から大瀬良大地選手インタビュー&鈴木誠也選手×堂林翔太選手対談と、なるほどカープ祭りです(間に大谷翔平選手のレポート記事もありますが)。

広島カープ期待の星である鈴木選手は堂林選手の3歳年下ということで、堂林選手が一人称「俺」からの「おまえ」はなかなかインパクトがありました。というか、堂林選手本人が「ai」に登場するのは少し久しぶりなのです。ずっと「ai」名物「いま光っているヒーローたち」つまり読者による人気投票で上位3位につけている同選手ですが、今年は開幕後から怪我等もあってなかなか一軍で活躍しておりませんでしたから、ここ2〜3号は「いま堂林選手は」というようなファームレポート記事などが中心だったのです。それでも必ず表紙には名前が載せてくる「ai」の執念には心打たれるばかりでした。

さてそのやや幼げな顔立ちも相まってか「プリンス」などと呼ばれている堂林選手、鈴木選手との対談ではなかなかのオラオラ感。片付けが苦手という鈴木選手に対して、

「僕、ファンレターは箱にまとめてますよ。手紙はそれ用の箱を作って、とにかく片付けるんだよ。おまえ、わかるか?」

と片付け道を説く堂林先輩。1日他の職業につけるなら何をしたい?という質問に「総理大臣」と小学生のような回答をした鈴木選手に対して

「鈴木総理大臣のもとでは暮らせないな。おまえが総理大臣になったら俺、アメリカに行く。」

と突き放す堂林先輩。あまりこれまで見えなかった俺様感が出ていて、これはこれで…これはこれで何なのかはわかりませんが、アリなんじゃないかしらん、と思います。いい子キャラもいいですが、ヤンチャかわいい系もなかなかよろしいのではないでしょうか。

それから誌面中盤に、「プロ野球ai野球塾 素朴な疑問に答えます!」という真面目な野球企画があって、これが予想以上に真面目で、「ai」どうしちゃったの、と思わなくもないですが、普通に勉強になりました。西武・十亀剣選手とソフトバンクホークス内川聖一選手が中心に回答しております。内容としては、

「マウンドに内野手と投手が集まっているとき、外野手はどんなことを考えているんですか?」

「ランナーに出たとき、ファーストコーチや一塁手とどんな会話をしているんですか?」

「守備交代をしたその打席で、交代した選手のところに打球が飛んでいくのはなんで?」

等々、確かにちょっと気になるけど専門誌や試合後のインタビューでわざわざ聞くことでないかなぁ、と記者や編集者なら思いとどまるであろう疑問が多く詰まっていて、且つその全てが女性ファッション誌の洋服のキャプションかと思うくらいの級数で羅列されているので、ものすごく目は疲れますが全部読み通す価値があるのではないかと。というか、基本的にどの回答も他の選手に比べて内川選手の文章量が二倍三倍程度あって、本当にこの方は引退してもすぐ食べていけるだろうなぁと思わされます。解説もさることながら、これだけ言葉を尽くして細かいことをきちんと説明する能力は、指導者としても重宝されそうです。

そして巻末には前述の恒例企画「いま、光っているヒーローたち」が掲載されているのですが、これが「ai」定点観測読者ならちょっと驚く波乱ぶり。ここ最近は、堂林選手と巨人・坂本勇人選手が不動のツートップで、あと一人が毎度入れ替わりつつ上位3位を占めていたのが、今月はなんと1位大瀬良大地選手、2位一岡竜司選手、3位菊池涼介選手、4位堂林選手、5位丸佳浩選手と、上位5位がすべて広島カープとなっております。以下は6位小林誠司選手、7位坂本勇人選手と巨人選手が入って、8位は九里亜蓮選手でまたカープ。9位に今宮健太選手でホークスを挟んで、10位は今村猛選手でまたまたカープ。実にトップ10のうち7人が広島カープという、カープ女子の実在を感じさせる結果になっておりました。これを見るにつけ、一岡選手は本当にカープに移って陽の目を浴びてよかったね……と思います(巨人に残っていたら残っていたで、今年の苦しい投手事情などを考えると一軍登板重ねていたかもしれませんが)。

それと、個人的に「ai」の好きな企画で、選手ひとりが自分の球団の主力選手はどういうキャラクターかを紹介するというものがありまして、これが今回オリックス・坂口智隆選手によるオリックス選手紹介でした。ページ数は2ページと少ないながら、いろいろとおもしろいポイントがあり、なかでも金子千尋投手に関する紹介で「金子選手はくだらないイタズラが好き」というのがグッと来ました。いや、もっと言うと、そもそも坂口選手が金子選手についてのコメントで全部「ネコさん」と呼んでいるのがいちばんグッと来ました……。

「ネコさんは…マイペースなスーパースターです。キレイ系ですよね」

「(ロッカールームで)ネコさんが休みの日に、たまにハサミを借りたりします」

「(イタズラの話で)ネコさんめっちゃそんなん好きなんです」

「最近はネコさんが何か持ってきたら疑いますけどね」

「かねこさん」から来てるのはわかりますけど、30歳の先輩捕まえて「ネコさん」って、坂口選手も金子選手も可愛すぎんだろ……と、日頃は金子選手を「ちーちゃん」と呼んでいる身としても、さすがにビリビリきた次第です。あと、このページの坂口選手撮りおろし写真についてた、このフキダシキャプション。

 

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なんか、もっとほかに書くことあったのでは……。